キルギス日記

JICA青年海外協力隊(2019-1)/高校英語/キルギス/開発教育/ESD

フェルトのスリッパづくり体験

 11月もあっという間に下旬になり、日が昇るのも遅くなりました。朝7時でも真っ暗。

私も起きるのが辛くなってきました…

 

さて! 

キルギスでは11月の上旬に1週間ほどの秋休みがあり、学校はお休みでした。

時間があったので、先輩隊員のみなさんに手配してもらい、スリッパ作りに行ってきました~!

 

スリッパはスリッパでも、フェルトのスリッパなのです。キルギスの人々は羊と生きているといいくらい、食にも、生活にも(羊を放牧して育てる仕事があったり)、羊が欠かせません。

 

羊の毛を使って、手作りで作るスリッパ。ワクワク…!日本では、無印良品キルギスのフェルト製品の取り扱いがあります。

 (https://st3gb.muji.com/jp/feature/kyrgyz-felt/)

今回行ったのはタムチ村という村。

工場もナチュラルな感じでかわいい!キルギス一村一品運動の工場の一つでもあります。 一村一品運動についてはこちら→(https://www.muji.net/lab/found/kyrgyz/)

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最初、こうやって集められた羊毛が置かれています。

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まず、この機械で羊毛を細かくしていきます。

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そのあと、洗濯機?のような機械で水洗い。

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おおきなゴミを取りのぞけたら、さらに細かくして、ふわふわとしている羊毛を、からめて面にしていきます。

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この時点でかなりふわっふわに!

 

自然の素材で染め上げられた羊毛。

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この中からスリッパに使いたい色を選びます。

私は白と、グレーががった青をチョイス!

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 まず、自分の足のサイズに合わせて、40グラムずつ測った羊毛を乗せます。

f:id:mikakyrgyz:20191121171121j:imageエジェ(キルギス語で、年上・目上の女性に対して使う言葉です)にも手伝ってもらい。 

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乗せたら、上から水をかけてぺったんこにしていきます。           
f:id:mikakyrgyz:20191121171041j:image   あのふわふわだった羊毛が、こんな感じに布状に!

 

ある程度厚みが出てきたら、スリッパの形に形を整えます。

足を入れる部分をちょきちょき。

ここで自分で考えたデザインを入れます。センスが問われる…
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私はこんな感じのデザインに。

キルギスの山のシルエットと、伝統模様のオイモ柄を入れてみました。もともと太陽をは入れてなかったのですが、エジェに、「山なら太陽が必要でしょ!」と半ば半強制的に入れられました(笑)けど、明るい感じになって、結果よかった!(笑)         
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ここまできたら、あとはひたすら、お湯を浸す→スリッパを揉みこむ、の繰り返し!

体力勝負です(笑)羊毛同士をしっかり絡ませるためだと思われるのですが、絡んでくればくるほど固くなって、本当に全身運動。みんな最後は疲労困憊。(笑)

でも、ここでどれだけ頑張れるかで、最後ぴったりサイズになるかが決まるので頑張りました!
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これは製品として売られているものですが、このあとはこうやって型をはめて乾かすようです。(最後の仕上げは全部エジェがやってくれました。)
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作業のあとは、エジェたちの手作りラグマン。

キルギスのお母さんたちは、こうやって麺も何でもすべて手作りします。

このラグマンが本当においしかった…!多分キルギスに来て食べたラグマンの中で一番おいしかった。

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後日、完成したスリッパがこちら。
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エジェが入れてくれた太陽がアクセントになり、なかなか自分好みのスリッパが完成しました~!!嬉しい!

 

まったく機械を使わず、すべて手作業でできるキルギスのスリッパ。

機械を使わないのは、一か所に定住することなく、移動しながら生活を営んでいた遊牧民の名残なのかもしれません。羊肉を食べたあとに残る羊毛。それを使って作る生活雑貨。ストーリーがあって素敵。あるものを無駄にせずに生活を豊かにする暮らし方、いいなぁ。そして手で作ってるからもあるのかな、このスリッパ本当にあったかい。これから本格的に冬を迎えますが、かなり愛用しそうです。

 

帰りはイシククル湖を眺めながら、マルシュルートカというミニバスに揺られて家へ。

すてきな秋の一日になりました。

キルギスのフェルト製品、日本でも買えるようなので、ぜひ!
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